論文抄読会
第10回消化器外科論文抄読会を開催しました。
2026年3月1日
開催日:2025年1月24日(土)
司 会:松田明久先生
指導医:横山康行先生
発表者:深澤元先生
論文名:Post-surgery financial toxicity and its influencing factors in colorectal cancer
care: A cross-sectional study
掲載雑誌:European Journal of Oncology Nursing. 2024
発表者の紹介と論文の選定理由
今回は外科専攻医深澤先生より、Financial
toxityに関する論文をご紹介いただきました。深澤先生は患者さん思いの先生で、消化器外科2年目の専攻医として日々診療に取り組んでいます。学会発表の際に、今回の論文のTopicを扱っていた発表を聞き、興味をもち、今回の論文を選択されました。
論文の概要
本研究は、大腸癌術後患者における経済的負担(financial toxicity)の実態と関連因子を検討した横断研究である。
中国の2施設で術後大腸癌患者を対象にCOSTスコアを用いて評価した結果、約半数の患者が強い経済的負担を経験していた。特に、ストマ保有、進行癌、低所得、術後期間の長期化が経済毒性と関連し、家族レジリエンスや社会的支援は負担を軽減する因子として示された。
ディスカッションの要点
- 日本とは医療制度が異なるため、結果をそのまま適用することは難しい。
- しかし、社会的支援や家族の関与が重要である点は共通している。
- ストマ保有患者や低所得患者など、ハイリスク群を早期に把握する重要性が再確認された。
指導医コメント
日常診療や学会発表をきっかけに疑問を持ち、自ら論文を探して考察する姿勢が非常に良かったと思います。国や制度の違いを踏まえた上で、臨床にどう生かすかを考えられており、専攻医として大切な視点が備わっている発表でした。今後もこの姿勢を大切にしてください。
まとめ
術後の経済的負担は、治療成績だけでは見えにくい重要な課題です。
外科医として、患者の背景や生活面にも目を向けた診療の重要性を改めて考えさせられる抄読会となりました。
次回予告
第11回抄読会は 2026年2月21日(土)に開催予定です。
司 会:進士誠一先生
指導医:向後英樹先生
発表者:宮川真央先生
次回も外科専攻医の発表となります。ぜひご期待ください。